馬場状態に応じてその巧拙を見抜いて予想に活かすのが馬場状態理論。
馬場状態の発表には良・稍重・重・不良の4種類がある。重馬場と言われるのは重・不良の馬場の荒れた状態を意味する。
重馬場にも滑る状態と力が要る馬場の2種類があり、一般的には爪の小さい馬(爪が立っている馬)は滑る馬場が得意で、爪の大きな馬(お皿を伏せたような爪の馬)は滑る馬場を苦手とする。そしてストライド走法(飛びが大きい綺麗な馬)は苦手、ピッチ走法(歩幅が小さく回転数の多い馬)の馬は得意と言われる。前脚のカキ込みが強い馬は得意で、後脚のケリが強い馬は苦手とする。
競馬のレースでの勝ちタイムというのは、馬の実力ももちろんそうだが、それが行われている競馬場の馬場状態にも大きく左右される。競馬場は開催期間がわかれていて、その開催期間の最初と最後では馬場状態がかなり変化する。開幕週の芝コースは全く荒らされていない状態で整っているので、かなり決着タイムが速くなりやすく、逆に最終週は馬場が荒れていてパワーが必要となり、決着タイムも遅くなる。
開幕週では持ちタイム(その馬自身のもっている最速タイム)の速い馬が有利(持ちタイムのない馬は不利)。仮に成績のいい馬がいたとしても、その馬が勝った時のレースのタイムが遅いものばかりだとしたら、開幕週のような高速決着が予想される馬場では出番はない可能性が多々ある。
ここで注目したいのは脚質ごとのラップタイム。逃げ・先行馬は最初に加速する分、ラストはバテてきてラップタイムは遅くなる。そこを脚を留めていた差し・追い込み馬が差し切りを狙うのだが、開幕週などの高速馬場でレースが行われると、逃げ馬がバテてもなかなかとまらない現象が起きる。高速馬場では馬はバテても失速しづらい。そうなると、それまでに後続につけていた差がモノを言って逃げ切ってしまうことが多くなる。
時計のかかる不良馬場になっても逃げ・先行が有利となる。理由としては、追い込み馬の使う鋭い末脚というものは、良馬場でこそ一番持ち味がいきるものだからで、馬場が渋ると、追い込み馬といえども大した末脚を使うことができず、結局逃げ・先行馬と脚色が同じになってしまい、追い込みが不発に終わるから。
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