調教理論

調教重視理論とは、調教での走法・タイムなどから調子の良し悪しを判別し、予想へ役立てようという理論。
走馬のレース前の調教はトレーニングセンター(トレセン)と呼ばれる場所でおこなわれる。
これは全国に2か所あり、東は茨城県の三浦で西は滋賀県の粟東。
ここでのレース前の調教による仕上がりを競馬新聞や競馬予想会社のトラックマン(常駐して調べる記者)などが情報ソースを伝える。

美浦トレセン
昭和53年4月に開設された美浦トレーニングセンター。
調教コースは厩舎や馬場公園を挟む形で南北の2か所にトラックがあり、南側には1600mのウッド チップコース(木片を敷き詰め競走馬の脚の負担を抑える)が、北側には障害用の調教コースがあ り、さらに馬のクールダウンやリラックスのための森林馬道もある。

栗東トレセン
昭和44年11月に開設された栗東トレーニングセンター。
広大な敷地には6つのコースを持つトラック型調教コース、1085mの坂路調教馬場、競走馬スイミ ングプール、逍遥馬場といったさまざまな調教施設がある。
また、約2000頭の競走馬を収容するための馬房、競走馬診療所、調整ルーム、事務所棟などの事務 施設のほか、乗馬苑などもある。

<調教のポイント>
上記のコースを使って実戦さながらに馬を走らせて鍛えるのが調教。
毎週大多数の馬が同じコースを使って調教を積んでいる。
1頭だけで走る「単走」という形式で調教を積む馬もいれば、「併せ馬」といって2頭以上で並んで 走る馬もいる。
これは馬の管理をしている調教師が、その馬にあった調教メニューを日々試行錯誤 して考えているもので、その内容は所属する厩舎のカラーによって変わってくる。
調教とは実践と違い日々のトレーニングのことだが、調教でいい走りを見せることができる馬は実 践でもその期待をあまり裏切ることのない走りを見せてくれると考えていい。
その調教で、手ごたえ抜群で好タイムをマークしたり、合わせた相手を煽るような調教を見せた馬 は状態がいい、あるいは能力が高いと判断できる。
また、馬なり調教主体の馬が一杯に追ったときは、「馬体が絞れないから」「調子が上向いてきた ため、よりハードな内容を消化できた」などのケースが考えられる。
すでに競馬場で走っている馬であれば、全走時の調教と比較すれば調子が上向きかどうかは把握で きる。調教内容がガラっと変わってきた場合は変わり身に期待できる。

<調教判断の重要な4ポイント>
・レース当週の調教は重要だが、1週間&2週間前も考慮する。
・日別、コース別に調教内容の優劣を判断する。
・全体、ラスト1ハロンを併せて判断する。
・「馬なり」「強め」「一杯」の追い方も考慮する。

<先駆けする馬、しない馬>
馬によっては調教駆けする馬、しない馬がいる。調教駆けしないとは、実践にならないと力を発揮 しないタイプで調教と実戦での結果が直接結びつかないことが多い。そういう馬は判断が難しい。
だが、普段調教駆けしない馬が調教駆けする馬と互角の調教を演じれば大きな期待を抱けるし、逆 に普段調教駆けする馬が平凡な調教しかできなければ、当然実践でも普段以上の結果を求めること は難しくなる。

調教はその馬の調子の良し悪しの判断をするという意味合いが強いので、予想のプラスαとして検討するのが基本となる。

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